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イラストレーター
急行2号

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小説の装画や、amazarashiのMVなどで知られ、「笑わなくても可愛い女の子」をテーマに女性を描く、人気イラストレーター急行2号による「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2023年9月28日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 142 / 急行2号 インタビュー

急行2号さんのペンタブレット・ヒストリー

プライベートワーク(2023)
©kyuko2go

――急行2号さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
もともとアナログの透明水彩で絵を描いていましたが、デジタルは憧れがあって。Bambooを買って手描きブログなどで少し描いてみたんですけれど、板型のペンタブレットはあまり向いていないなと感じて、そのままアナログで描いていました。AppleのiPad Proが出たときに、画面に描くタイプなら上手く使えるんじゃないかと思って使ってみたら意外とよかったので、そこからデジタルで絵を描くようになりました。

――液晶ペンタブレットを使われるようになった経緯は?
仕事で絵を描くようになると、サイズが大きいデータを扱う機会が増えてきて、それだとiPad Proではどうしても足りない部分あるので、液晶ペンタブレットを使ってみようと考えて。ネットで16インチの液晶ペンタブレットを注文して、iPad Proと併用して作業をするようになったのですが、16インチだとCLIP STUDIO PAINTで描くのに微妙にスペースが足りなくて。UIなどを気にせずに描けるように、大きい画面のものが欲しいなと思っていたところに新しいWacom Cintiq Pro 27が出るという情報が入ってきて、すぐ購入しました。

――現在の作業環境はどのようなものですか?
数年前に買ったLenovoのゲーミングPC、LEGION T5(CPU:Intel Core i7-10700/RAM:16GB/GPU:NVIDIA GeForce RTX360)に、Wacom Cintiq Pro 27とBENQのSW240ディスプレイを繋いでいます。サブデバイスのTourBoxとWacom Cintiq Pro 27のタッチ機能を併用しながらCLIP STUDIO PAINTで描いていて、Wacom Pro Pen 3は重心が後ろに来るようにしています。

――Wacom Cintiq Pro 27の使い心地はいかがですか?
画面が大きく綺麗で、CLIP STUDIO PAINTの素材一覧を表示したりしてもUIに圧迫感がないのがありがたいです。タッチ機能が使えるのも便利ですね。筆圧も細かく拾ってくれて思いのままに描けるので、ワコムの液晶ペンタブレットはすごいなと感じています。作業中の姿勢があまり定まらないので、スタンドで角度を自由に変えられるのもいいところですね。その日の自分の状態にあわせて椅子を倒しぎみにして描いたりもできるんです。

急 行 2 号 さ ん の 作 業 環 境

Wacom Cintiq Pro 27を導入した急行2号さんの作業環境。左に設置したサブディスプレイBenQ SW240は資料の表示以外にも作業中に動画を流したりなどの用途で使われている。
左手の操作は、拡大や移動などはWacom Cintiq Pro 27のタッチ機能を使って行いつつサブデバイスのTourBoxを併用しているとのこと。
Wacom Cintiq Pro 27 Standを活用して、本体を前に引き出してその日の気分にあった姿勢で作業するという。

急行2号さんのクリエイティブ・スタイル

プライベートワーク(2023)
©kyuko2go

――急行2号さんがイラストを描くときのワークフローを教えてください。
個人製作の絵は「笑わなくても可愛い女の子」というテーマがあって、インスタグラム等で流行のメイクや髪型を見ながら、こういう眼を描きたいなとか、このアングルの輪郭がいいなというところからモチーフを作っていきます。CLIP STUDIO PAINTでラフを描き始めて、アングルや髪型などのイメージが固まったら下描きをします。お仕事の場合はこの段階で色を付けて何パターンかカラーラフとして提出する感じですね。線画をクリンナップしたら投げなわ塗りツールで塗り分けをして、目や口などのパーツにブラシで色を入れてから全体に別レイヤーで影色を重ねたものを消しゴムで削るようにして塗り進めます。

――ドローイングを見ていると、仕上げまでは基本の塗りレイヤーと髪の毛くらいのすごく少ないレイヤー数で作業していますね。
もともとアナログで描いていたせいか、細かくレイヤー分けするのに慣れなくて、まとめて塗ってしまったほうがわかりやすいんです。最初の塗り分けに乗せた影を統合してからは、基本的にブラシと消しゴムで塗り重ねているので、お仕事で特にレイヤーを分けて欲しいと言われない限りは少ない枚数で完結しますね。

――塗り工程の最初で、全体に影の色を重ねてしまうのはなぜでしょう?
全体に乗せた影を削って、影の形が決まったところで色味を調整していく方が画面が引き締まる気がするんです。自分の好みというのが大きいですが、逆光ぎみにする方が顔の輪郭とか、鼻や唇の形が際立って見えるのがいいなと思っています。

――使っているブラシの数はあまり多くないですね。
CLIP STUDIO ASSETSから色々なブラシをダウンロードしてきた中でお気に入りのものを使っています。ドローイングで主に使っていたのはBani1という伸びのいい水彩系ブラシです。

――顔がメインの絵で、塗り方工程がまるでメイクをするかのように感じました。
塗りの「メイクしている感」は意識しています。アイラインやアイシャドウの入れ方とか、まつ毛のカール具合とか、私の絵を見てくれる人は特に髪や眼に注目されることが多いので、眼の周りのディテール感は大事にしています。人に言われて気づいたのですが、男性イラストレーターは眉毛をあまり細かく描き込まない印象があって。私は眉毛を整えていくように描くようにしているのですが、二重まぶたの線とか、まつ毛のカール具合、眉毛の生え方みたいな部分をデフォルメしてしまうと、女の子の感じる可愛さが無くなってしまうのではと感じているんです。メイクやコスメが好きな女性のこだわっている部分は、絵に描く上でもこだわりたいですね。

――たしかに、唇の部分などかなり手をかけている感じがします。
唇は厚塗りで塗り重ねたほうがリップを塗っている感じが出るんです。ドローイングで描いたイラストではツヤのあるリップグロスを使っていることを想定して、明るめのピンクと白のハイライトを乗せました。

プライベートワーク(2022)
©kyuko2go

――ほつれ毛が光っているように見える表現など、髪の毛の描写の細かさも興味深いです。
自分ではあまり意識していなかった部分ですが、展示やイベントに来た方から「髪の毛の表現が細かくていいですね」といわれることが多かったので、自分の強みのひとつなのかなと思い、工夫しています。

――ひととおり塗り進めてからの仕上げ工程では、それまでのシンプルな塗りから一転してオーバーレイなどを多用して画面を作られていました。
いつの間にか、急行2号といえば暖色系の絵というイメージができあがっていた ので、それを壊さないように仕上げでは全体にオーバーレイで暖色を重ねて全体の色調を整えることが多いです。笑わない女の子を描くのに、色味を寒色にするとクールすぎる感じになってしまうので、雰囲気を柔らかくする意図もありますね。仕上げ工程は、チークやラメ、照明効果などを加算(発光)やオーバーレイなど、塗り重ねるときはあまり使っていなかったレイヤー合成も使ってイラストの完成形を作っていきます。あまりやりすぎるとギラギラして世界観が壊れてしまうのですが、せっかくデジタルを使っているので流行の効果みたいなものは挑戦してみたいんです。

――「笑わない女の子」をモチーフに絵を描くようになったのはなぜでしょうか。
女の子をテーマにしたグループ展に参加した時に、まわりもみんな女の子の絵を展示するので、人それぞれの好みがある中で私の好きな女の子はどんな子だろうと考えました。そのときに、「すごくキラキラ輝いている笑顔の可愛い子」よりも、「そこまで表情が豊かではないけれど冷たいわけではなく、柔らかい雰囲気のある女の子」がいいなあと思ったんです。私自身、笑ってと言われるのがちょっと苦手なのでそういう気持ちも反映されて「笑わなくても可愛い女の子」というテーマが出来上がりました。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

柔らかい雰囲気の中で、光と影のコントラストが印象的な急行2号さんのイラスト。逆光のライティングを上手く使うことで、輪郭や顔のパーツの美しさを引き出している。
下塗りができたら乗算レイヤーを使って全体に影色を乗せ、消しゴムツールで光があたる部分の影を削るようにして塗り進めていく。
このコントラストと仕上げで加える照明効果が雰囲気のある画面を生み出している。

※動画では3:45から急行2号さんが影を塗る工程を見ることができます。

急行2号さんのクリエイターズ・ストーリー

『殺したい子』(イ・コンニム/矢島暁子訳/アストラハウス刊)
装画(2023)
©kyuko2go

――よく聞かれると思いますが、「急行2号」というペンネームはどんな由来があるのですか?
最初にネットで活動を始めた頃は違う名義で。普段は車移動が多いですが、たまたま電車に乗ったときに「急行」という言葉が気になって。特急ほど速くないけれど、普通よりは速いというペースがいいなと思ったんです。それで名前を変えてみようかなという気持ちになったのですが、もしかすると先に「急行」さんがいるかもしれないと思って、姓名判断でも悪くなかった「急行2号」というペンネームを名乗り始めました。

――元々アナログで描かれていたとのことですが、イラストレーターとしてやっていこうと思うようになったのはいつ頃でしょうか。
最初は趣味で好きなマンガのファンアートを描いたりしていたのですが、だんだんSNSでも知り合いが増えてきて、「同人イベントに参加します!」みたいな投稿を見て自分も参加してみたいと思って、福岡ドームで開催されたCOMIC CITY 福岡に初参加したんです。アナログで描いた絵で作ったグッズを持っていったら、ブースまで遊びに来てくれる人もいて。そこで絵を見てくれる人と触れ合うのが楽しいなと感じました。そのうち、グループ展をやろうと誘われて展示活動を始めたら、今の事務所のマネージャーから声をかけられて。私自身は計画的にプロを目指すぞ、みたいな瞬間がなくて、気づいたら毎週〆切があるみたいな状況になっていました(笑)。

――学校などで特に絵を学んだりはされたのでしょうか。
いいえ、ずっと独学なんです。ファンアートを描いていた頃にインターネットでいろいろな人のウェブサイトを見て、この人はこんな描き方をしているんだ、みたいなのをどんどん自分でも試していった感じですね。

「Shimmer 急行2号作品集 ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK」
(翔泳社)
表紙イラスト(2022)
©kyuko2go

――初めて自分の絵が仕事になったのは、いつですか?
2020年に創作イラストアプリ「pib」のカバーアートを描かせてもらったのが、初めての依頼でした。髪型の特集だったので、自分の絵はそこをよく見られているんだとあらためて実感しました。自分の絵に報酬が支払われて仕事になるということに驚くのと同時に、ここを伸ばしていけばいいんだというヒントを得られて、うっすらと先の道が見えた気がしましたね。

――そこからお仕事は順調に増えていったのでしょうか。
YouTubeに投稿するMVのイラストや、地元の佐賀競馬のポスター、小説の装画など色々なお仕事をやらせてもらうようになりました。思っていた以上にバリエーションが豊富で、その頃は日々のタスクをこなしていくのに必死で、仕事以外の記憶があまりないんです(笑)。

――いろいろやられている中で、個人的に嬉しかった依頼みたいなものはありましたか?
小説の装画には憧れがあったので、いろいろ描くことが出来て嬉しいです。内容にあわせて何らかの気持ちを秘めた女の子を描くことが多くて、普段描いている絵からそういう女性像を連想してもらえているならありがたいですね。装画は物語の最初に目にはいるものなので、小説のイメージを構成するものの一端を担えることがすごく光栄だし、デザイナーさんの手が入ることで自分ひとりでは仕上げられないものになるのも面白いです。

――これまで手掛けた中で、特に印象的なお仕事はありますか?
去年の秋に画集「Shimmer 急行2号作品集 ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK」を出させてもらったことですね。最初に編集さんからメールが届いたときには送る相手を間違えているんじゃないかと心配しました(笑)。1年くらい制作期間がかかっているので、その間MVやオンライン講座の撮影など色々なお仕事が重なっていて大変でしたが、昔から知っている人達が「画集買ったよ」と言ってくれたりして、そうか本を出したんだ、みたいな実感を得ることができました。

サンリオピューロランド×ゴリエ
ミュージカル「THE BATTLE OF LOVE」キービジュアル(2023)
©GORIE

――amazarashi「境界線」のMVに参加されたのも、大きな出来事ですね。
聴いたことがあるバンドのMVということで、責任感やプレッシャーもすごかったですが、それ以上に挑戦してみたいという気持ちが大きかったので、なんとしても期待されている以上のものを出そうというモチベーションで頑張りました。すごく大勢の人に見てもらえて、友達からも「凄いね」と言ってもらうことができてよかったです。

――この先、急行2号さんがやってみたいことや挑戦してみたいことはありますか?
いつかマンガをやれたらいいなと思っています。実はイラストレーター活動をする前に、福岡のイベントで出張編集部にマンガを持ち込んだことがあるんです。最近はウェブトゥーンをよく読んでいるので、私のイラストのスタイルを活かして、縦スクロール漫画にできたらいいですね。

――最近のお仕事について教えてください。
11月25日に装画を手掛けた「君がいたから壊れた世界が輝いた」(著・小松奈々/スターツ出版)という小説が発売されました。女の子と男の子の青春もので、今までやらせていただいた推理ものなどとはちょっと違う雰囲気の作品になっています。来年の2月には「パーツ別でバリエーションとプロセスがわかる ガールズイラストで生かせる光の使い方」(翔泳社)という技法書も出させていただくので、ぜひ楽しみにしていてください。

――最後に、急行2号さんにとってワコムのペンタブレットとはどのような存在ですか?
ずっと線画を描くことに苦手意識があったんですけれど、Wacom Cintiq Pro 27を使うようになって、線画の楽しさを知ることができました。ペンの反応や画面の繊細さなど色々な要素が組み合わさって、苦手意識をどんどん薄めてくれたんです。まだ出会って間もない、知らないことも多いツールなので、これからどんどん仲良くなっていきたいなと思っています!

取材日:2023年11月12日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

急行2号
イラストレーター。2017年から活動を始め、オリジナルのイラストをイベントや展示に出展。2022年には自身初となる画集「Shimmer 急行2号作品集 ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK」を上梓している。「笑わなくても可愛い女の子」をテーマに、光と影の表現が印象的な女性の人物イラストで知られ、「嘘つきは殺人鬼の始まり SNS採用調査員の事件ファイル」(佐藤青南 著/宝島社)、「殺したい子」(イ・コンニム著/矢島暁子訳/アストラハウス)など小説の装画を多数手がけている。広告やMVイラストなどでも幅広く活躍し、2021年には人気バンドamazarashiの楽曲「境界線」のMVに起用され話題となった。2024年2月には翔泳社より自身のイラストの描き方を解説した技法書「パーツ別でバリエーションとプロセスがわかる ガールズイラストで生かせる光の使い方」が発売予定。

twitter:@kyuko2go
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高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

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