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イラストレーター

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ライトノベルのイラストを多数手がけ、VTuberグループにじさんじのライバー「壱百満天原サロメ」のデザインでも人気のイラストレーター緜による「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインティングを公開!(2024年2月10日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 143 / 緜 インタビュー

緜さんのペンタブレット・ヒストリー

夢見夕利『魔女に首輪は付けられない』
(電撃文庫/KADOKAWA刊)1巻カバーイラスト(2024)
©Yuri Yumemi 2024

――緜さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
中学生の頃に友人がペンタブレットを使っているのを見て、デジタルで絵を描くことにすごく憧れていたのですが、なかなか手がだせなくて。大学生になってバイトができるようになって、自分のノートPCとワコムのペンタブレットを買ってようやくそれが叶えられたという感じですね。インターネットでドローイングや描いてみた動画を見て楽しんでいたので、自分でそれをやれるというのが楽しかったです。

――液晶ペンタブレットを使い始めたのは、どのような経緯でしょうか。
最初に買ったペンタブレットをずっと使い続けていたのですが、社会人になってしばらくは仕事が忙しくて、私生活で趣味の絵を描く余裕がなくなっていたんです。ようやく落ち着いてきた頃に、好きな絵を描くことを再開しようという感じで買ったのが、Cintiq 13HDでした。ノートPCと板型のペンタブレットの組み合わせだと、ちょっとキーボードが遠くなってしまって作業しにくいところがあったので、液晶ペンタブレットはすごく使いやすいなと感じていました。フリーのイラストレーターになってからもしばらくCintiq 13HDを使っていましたが、犬にケーブルをかじられてしまって……。せっかくなので少し大きいものにしようと今使っているWacom Cintiq 22に買い替えました。

――現在の作業環境はどのようなものですか?
FRONTIERブランドのPC(CPU:Intel Core i7-12700F/RAM:32GB)に、Wacom Cintiq 22を繋いで使っています。他にディスプレイが2枚あって、EIZO ColorEdgeが描いている絵の色味をチェックしたりする作業用で、ASUSのほうは趣味のゲーム用になっています。イラスト制作ツールは設定や操作がシンプルなのが気に入っているSAI2を愛用しています。

――今回、Wacom Cintiq Pro 27を使って描いてみた感想はいかがですか?
Wacom Cintiq 22と比べても、画面が大きいなというのが第一印象で。いつもは拡大してみないと気づかない線の粗いところを見のがして、フィードバックで修正をお願いされることがあるんですけれど、Wacom Cintiq Pro 27は等倍表示のままでも細かいところまではっきり見えるので、かなり作業しやすかったです。画面の発色もきれいで、ふだんサブディスプレイを見ながら作業しているのと同じ感覚で使えました。Wacom Pro Pen 3はいつも使っているWacom Pro Pen 2に寄せたセッティングにしてもらったのですが、持ちやすかったですね。実際に試してみて、描き心地の違いを実感できたので、次に使う液晶ペンタブレットはこれにしたい!と思いました。

緜 さ ん の 作 業 環 境

FRONTIERのWindows PC(CPU:Intel Core i7-12700F/RAM:32GB)に、Wacom Cintiq 22(DTK2260)と、色の確認用のEIZO ColorEdge(24インチモデル)、ゲームやネットなどその他の用途に使うASUSのワイドディスプレイを接続して使用している。
作画に使うツールは基本的にSAI2。液晶ペンタブレットの左側、キーボードの上にあるのはショートカットデバイスのLupedeck Live S。

緜さんのクリエイティブ・スタイル

みかみてれん「女同士とかありえないでしょと
言い張る女の子を、百日間で徹底 的に落とす百合のお話 7」
(GA文庫)カバーイラスト(2023)
©みかみてれん/SB Creative Corp.

――緜さんがイラストを描くときのワークフローを教えてください。
最初からデジタルで、SAI2でラフを描き始めます。趣味の絵だとすぐ線画に入って配色、着彩の工程に進み、ある程度全体を塗り進めたらレイヤーで上から厚塗りする感じで全体を修正して、最後に仕上げ作業で色味を整えて完成ですね。できるだけ華やかな絵にしたいと思っているのですが、配色が苦手で何も考えずに進めると、塗ってみたらバラバラだったという事故がおきるので、仕事の絵ではできるだけカラーラフで色まで詰めるようにしています。

――すごく素敵なカラーイラストなので、配色が苦手というのは意外です。全体として地味ではないですが、シックなトーンの色を好んで使われますよね。
そうですね。自分の好きな色しか使えないので、結果的にそういうイメージになっているんだと思います。塗っていると色が濁ってしまったり、彩度が飛んでしまったりして、全体の色味が可愛くないと感じるのがずっと悩みだったんです。SAI2でやれることをいろいろ試した結果、最近になってやっと自分なりの答えがでてきたところなので、そのあたりを見てもらえると嬉しいなと思っています。

――緜さんの絵柄の特徴はどこで生まれるのかと思いながらドローイングを見ていましたが、塗りながら線画も描き直す勢いで加筆しているのに驚きました。
5割くらい塗り進めたら、レイヤーを重ねて厚塗りでどんどん加筆することで、ひたすら絵の情報量を増やしていきます。Twitter(現X)でほぼ毎週、絵を上げていた頃に、時間も密度も足りないのを解決しようと考えて、とにかく手数を増やせば絵の情報量も増えるんだと気づいて。その名残で、1枚のレイヤーでとにかく上から盛っていく描き方になりました。絵の完成形のイメージはここで全部決まるので、重要な工程ですね。

――その上からオーバーレイなどで加工して、さらにレイヤーを重ねて厚塗りで修正してと同じような加筆作業をミルフィーユのように重ねていく感じですね。
厚塗りで上からなんでもやっちゃおう精神で(笑)。全体を見た時に、描き込めばもっと絵がよくなるところを探しながら描いている感じなので、思いついたところから筆を入れています。もうちょっとこうした方がいいなと感じたら、レイヤーを重ねて上から塗ってしまうんですよね。あとは仕上げ段階で、見て欲しい部分を意識しながら加筆したり整えたりしています。顔まわりは目を引きたい部分なので、オーバーレイを重ねて明るくしたり、胸の丸みや手の形を強調するためにエッジにハイライトを入れたりします。

――情報量とそれを見せるためのメリハリが重要なんですね。その中でも目は緜さんの絵で特に印象的な部分です。
気づいたらこうなっていたので、意図があるのかと聞かれると困ってしまいますが、この目のおかげで自分の絵だと気づいてもらえるようなので、ここは変えられないなと思っています(笑)。

――まつ毛の描き方は、ぱっと見クールな印象なんですけれど、すごく可愛く感じるんですよね。
いろいろ試しながらこうなったんですけれど、なぜこれが可愛く思うのか自分でもよくわかっていないんですよ。目のシルエットが上手くできたり、前髪の情報量が盛れて流れもよく見えると感じた時は、顔面が出来上がったなと思いながら描き進めています(笑)。

しめさば「きみは本当に僕の天使なのか」
(ガガガ文庫/小学館)カバーイラスト(2021)
©しめさば

――ブラシの使い分けはどのようにしていますか?
自分の中では、ずっと5割の絵を9割に近づけるようなつもりで作業をしているんですけれど、塗りで形を出していく段階では鉛筆ベースの硬めのブラシを使っていて。そこから柔らかめのブラシで質感を塗り込んだり、ブラシのタッチが残ると粗く見えてしまう部分を馴染ませたりしています。線画は筆ベースで、筆ペンのような線が出せるカスタムブラシを使っているのですが、ラフや線画の段階から鉛筆のような硬いブラシを使ってしまうと、線の正解・不正解がそこで決まってしまうので、5割のまま進めなくなるんです。後から加筆しやすいように、あえてかっちり決め込まないほうが描きやすいと思っています。

――実際のデータを見ると、柔らかめの線だったり、厚塗りだったりするので絵柄の印象とだいぶ違いますね。
アニメ塗りがかわいいなと思っていたので、パキッと塗り分ける部分と質感を増やしたい部分を自分なりに組み合わせてきた感じですね。加筆する時は、線の質感や濃淡、見せたい部分のメリハリを意識していて。影の塗りやハイライトの入れ方も、整合性より陰影や濃淡のバランスで画面が出来上がっていればいいなと思ってやっています。

――緜さんが好きなモチーフとか、描いていて楽しい部分はどこですか?
やっぱり髪とリボンですね。好きに描いたときは、リボンは絶対にモチーフに入っていると思います。どちらも絵の中に流れができて、情報量を増やしやすいんです。自分の好きな画面構成が、絵を見たときに豪華に感じられるような、とにかく盛られたミチミチの状態のものなので、この2つは欠かせません。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

緜さんの絵の特徴は、力のあるキャラクターの「目」と線に込められた情報量。これはひと通り塗り進めた段階で、上からブラシで加筆することで「盛って」いる。
作業工程を追っていくと、厚塗りで塗りの情報量を足していくのと同じレイヤーで、線画の上ニュアンスやタッチを描き加えている様子が見てとれる。
レイヤーを重ねて「塗り+加筆」と「加工」を繰り返すことで絵柄が出来上がっていくのに注目。

※動画では10:14から緜さんが加筆する工程を見ることができます。

緜さんのクリエイターズ・ストーリー

斎藤すず『バレットコード:ファイアウォール』
(電撃文庫/KADOKAWA刊)1巻 カバーイラスト(2022)
©Suzu Saito 2021

――緜さんが絵を仕事にしたいと思ったのは?
高校の頃に美術部で賞をいただいたりして、これは大学も美術系に行くしかないなと思って美大の油画科に進学したんです。就職活動を考え始めたときは好きなアニメの背景美術の仕事ができたらいいなと思っていたのですが、当時はデジタルで背景を描くのがあまりも難しくて、これは無理だとなって……。好きなゲームのキャラクターをよく模写していたので、こっちで頑張ろうと考えてゲーム会社に応募し、デザイナー職で採用されました。

――ゲーム会社ではどのようなお仕事をされていたんですか?
いわゆるモーション班に配属されて、キャラクターの動きを作ったりしていました。転職した次の会社もモーション班として入ったのですが、キャラクターデザインもさせてもらえるようになって。しばらくゲーム制作に携わった後に退社してフリーランスになりました。

――その頃にはフリーでやっていけそうなくらい、個人としてお仕事の依頼があったりしたのでしょうか。
いえ、全然なかったのに勢いで辞めてしまいました。半年と期限を決めて、自分で食べられるようになったら出ていくからという約束で実家に戻ったんです。それでクリエイターに仕事を紹介してくれる会社のサイトに登録して、ゲームの立ち絵や色ラフの作成のような案件をいただいたり、コンペに参加したりしながら、いちおうはフリーランスとして仕事できるようになった感じですね。

――いわゆるクラウドソーシングのお仕事から始めたんですね。
提出したイラストへのフィードバックなどはとてもためになったので、武者修行ではないですが、イラストの仕事の何たるかというのはこの頃にたくさん勉強させていただいたと思います。

VTuber にじさんじ「壱百満天原サロメ」デザイン画(2022)
©ANYCOLOR, Inc.

――そういう形で経験を積むうちに、だんだん個人としてのお仕事が入るようになっていったのでしょうか。
フリーになってからしばらくして、オリジナルのイラストを投稿するためのSNSアカウントを作ったんです。それでやっと人の目に入るようになって、SNS経由で依頼をいただくようになった感じです。とはいえまだぜんぜん名前も知られていなかったのですが、ある時に、電撃文庫さんから『バレットコード:ファイヤーウォール』(斎藤すず/KADOKAWA)というライトノベルのイラストのお仕事をいただけて。その作品がきっかけになって、他のクライアントさんからもイラストレーターとして信頼してもらえるようになったのかなと思っています。

――これまでのお仕事で特に印象に残っているものはありますか?
自分の中では、やはり『バレットコード:ファイヤーウォール』のイラストがすごく大きかったですね。緜というイラストレーターの絵を求めて依頼をしてもらえたことで、すごく自信になったのを覚えています。

――にじさんじのライバー、壱百満天原サロメさんのデザインで緜さんを知った人も多いのでは。
だんだんお仕事が増えてきたものの、まだ自分の絵に安定感を見出せず、とにかく頑張っていっぱい描かなければと感じていた時期に依頼をいただいたので、無我夢中でデザイン画を描いていた気がします。サロメさんの初配信を見た時には、すごく魅力的で、誰もがファンになってしまうだろうなと直観して………実際にすごい反響で驚くくらいだったので、当時はあまりSNSの反応とかを見ないようにしていました(笑)。

――デビュー直後からVTuber業界全体で超大型新人として、話題になっていました。
そこから私を知ってくれた方は、「壱百満天原サロメさんのママ」として私を認識していただいているのかなと思いますが、サロメさんがあまりにも偉大すぎて、自分の「娘」というより 1人のファンとして応援しているような感覚ですね。サロメさんの他にもデザインをさせていただいた子たちがいますが、VTuberはデザインだけでなく、イベントやグッズ、MVみたいにイラストを発表する機会も多いので、イラストレーターにとってもいい文化だなと思っています。

「年上彼女」Pixiv×DMM Factory オリジナルフィギュア
描き下ろしイラスト(2024)
©緜

――緜さんがこの先やってみたいお仕事や、挑戦してみたいことはありますか?
イラストレーターとして、キャラクターデザインや世界観の部分で1本のオリジナルゲームに携わりたいという夢があります。もともとゲームが好きでこの業界に進んだこともありますが、VTuberさん達が配信でゲームをしているのを見るのも楽しくて、自分でもそんな風に遊んでもらえる作品を作ってみたいなと感じて。ゲーム会社に所属せず、個人でやるのはハードルが高いと思いますが、いつかタイミングがあれば挑戦してみたいなと思っています。

――最近のお仕事について教えてください。
『魔女に首輪は付けられない』(夢見夕利/KADOKAWA)というライトノベルが2月に発売されて、そのイラストを担当しています。電撃小説大賞の大賞をとった作品なので、読者の期待に応えられるよう頑張って描かせていただきました。あとはPixiv×DMM Factoryの『年上彼女×年下彼女』というオリジナルフィギュアのシリーズでデザインした「年上彼女」の原型が、2月に開催されたワンダーフェスティバル2024[冬]で発表されました。自分のオリジナルイラストが立体になるのは初めての経験で、原型を見たときは、こんな風になるんだ!と感動しました。これから色がついて制作が進んでいくと思うので楽しみにしていてください。

――最後に、緜さんにとってワコムのペンタブレットとはどのような存在ですか?
ちょっと恥ずかしいんですけれど、自分の人生を変えてくれた存在かなと思っています。私が絵を描こうと思ったのもペンタブレットがあったからなので、PCとペンタブレットのセットがなければ、今頃はぜんぜん違う方面に進んでいたかもしれません。

取材日:2024年3月13日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

緜(わた)
イラストレーター。美術大学の油画科を卒業後、ゲーム会社を経てフリーのイラストレーターに。『バレットコード:ファイヤーウォール』(KADOKAWA)、「きみは本当に僕の天使なのか」(小学館)、「俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです」(オーバーラップ文庫)などライトノベルのイラストを多数手がける他、ゲームのコラボイラストなど幅広く活躍する。デザインを担当したにじさんじの人気ライバー「壱百満天原サロメ」は、初配信から14日でチャンネル登録者数100万人を達成して大きな話題となった。この2月には電撃小説大賞受賞作『魔女に首輪は付けられない』(KADOKAWA)のイラストを担当している他、デザインを手掛けたオリジナルフィギュアも発表されている。

twitter:@wttn3tpkt
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高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

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